宗教にハマった親を持つアダルトチルドレンのあなたへ
目次
宗教にハマった親を持つ子供の苦しみ
アダルトチルドレンのカウンセリングでよくあるのが、親が新興宗教にハマってしまい、自分もそれを強要されてつらかったという話です。
私は宗教のすべてが悪いとは思っていません。それぞれの宗教で救われる人が大勢いるのですから存在価値はあるのです。
宗教団体は家族の代わりの機能を果たします。
特に機能不全家庭で育った人にとっては温かい家族の一員のような関わりが得られるので、今までどこにもなかった自分の居場所になるのです。
そして、世の中への奉仕活動をすることで良いことをしているという自己イメージが維持できます。
機能不全家庭=母性不在、父性不在の家庭で育った人が、母性や父性を求めて宗教団体に入ります。
父性的な面でいうと、宗教の教義や戒律などのルールが、お父さんから教わらなかった「人間としての在り方」「生き方」「人生哲学」などの価値観を示してくれるので安心することができるのです。
父性不在で育った男性は「絶対的なもの」を求める傾向があります。
絶対的な信じるものがあれば、安心できるからです。NO.1やカリスマに憧れる傾向が強いです。
その宗教団体で自分が救われたと感じたら、すごく良いものだからと子どもにも当然すすめることでしょう。
しかし、新興宗教にハマった親を持つと、その子どもはかえって苦しむことになります。
なぜなら子どもの方は
「お父さん(お母さん)自身はどう思っているの?」
「お父さん(お母さん)の感情、気持ちはどうなの?」
「お父さん(お母さん)の生の意見じゃないよね?」
「お父さん(お母さん)は私そのものを見て言ってくれていない」
と直感し、親自身に主体性がないことを見抜いてしまうのです。
だから、とても悲しい思いをするし、違和感を覚えて親のことを信用できなくなるのです。
たとえば、これは実際にクライアントに聴いたことですが、母親がアルコール中毒になって生死を彷徨っていても、母親と向き合おうとせずにお祈りばかりしている間に亡くなってしまったとか、自分が大学受験に合格したことを父親に報告すると、「お父さんがお前のために祈っていたからだ」と言って自分を褒めてくれなかったとか、
「教祖様が言っているから」とか、「教義ではそうなっているから」とかではなくて、子どもは親自身の実体験から得た教訓、生き方をライブで語ってほしいものなのです。
借り物の価値観では子どもの心は掴めません。
「お父さん(お母さん)は宗教と一緒にいるのであって、私と一緒にはいない」ということに寂しさと悲しさと虚しさを感じるのです。
「私と一緒にいてほしい」これがアダルトチルドレンが親にずっと望んでいながらも叶えられなかったことなのです。
同じ兄弟でも、親と同じように宗教にハマる方向に行くか、激しく反発する方向に行くのか?で分かれることになります。
親は自分が正しいし、良いことをしていると信じて言っているので、自らを改めることはないので、自分から距離を取るしかありません。
その宗教団体から離れたとしても、家を出て親から遠く離れたとしても、どこかで親に従っていない自分、親の期待に応えられなかった自分、親の宗教を否定している自分に対する罪悪感を抱えているので、ずっと苦しみが続いてしまうのです。
そこでメンタルを回復するためにカウンセリングが有効な手段となります。
私のカウンセリングでは、父親代わりとなって、精神的に親から自立させることをします。
父性を身に着けることの重要性
もし、あなたが父親ならば、子どもの立場になって考えてみましょう。
家庭でも外でも何も武器を与えられず、丸腰で戦(いくさ)に出てしまったとしたらどうでしょうか?
怖くて戦えずに家に戻ってきてしまうのは当たり前です。結局はニートになるしかなくなってしまうのです。
親から人生観や生き方を何も授かっていないまま、大学生ぐらいになって何も免疫力がないところに新興宗教などに触れてしまうと、比較検討する世界観がないので「これは素晴らしい教えだ!」と感じてしまい、まんまと洗脳されてハマり込んでしまうのです。
そうならないためにも、子どもたちにはお手本となるように父性を発揮して、「生き方」を提示してあげないといけません。
もし、あなたが父親としてこの本を読んでいるのならば、「自分が死ぬまでに子どもに伝え遺したいことはなんだろうか?」と真剣に考えてみてください。
そうやって自分の子どもたちのために何ができるか?と考えた瞬間からあなたの父性の能力にスイッチが入るのです。
「そんなこと今更言われても・・・」と思ったあなたには父性のカウンセリングがおすすめです。
父親というのはどういうことなのか?何が必要なのか?がわかれば、夫婦関係も子育ても楽になりますよ。
あなたは次の10項目にいくつ当てはまっていますか?
1. 父親との関係が悪かった。母親から父親の悪口をさんざん聞かされてきた
2.父親から興味・関心をもって話しかけられたことがない。父親とまともな会話をしたことがない
3.小さい頃から、親よりも自分の方が大人だと思っていた
4. 「NO」と断ることができないため、理不尽な要求に従ってしまう
5.どうせ自分の気持ちなんて誰も分かってくれないと思っている
6.自分には価値がない、自分は必要のない存在だと思っている
7.頑張り過ぎ、やり過ぎとよく言われる。休むことができない。一体いつまでがんばればいいんだろうか?と思っている
8.ずっと溜め込んできた親への恐怖、怒り、恨み、罪悪感を解放したい
9.何が異常で、何が普通なのか?自分の意見や基準がないのでわからない
10.自分がお店に入ったり、列に並んだりした途端、なぜだか急に人が増える
「あっ!まさに私のことだ!」と思ったのではないでしょうか?
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