父性の愛について
目次
父性の愛とは何でしょうか?
父性の愛とは、母性の愛=無償の愛、無条件の愛と比べて、「条件付きの愛」であるという意見があります。確かにそういう面もありますが、それだと、父性の愛の一部分を現しただけであり、全貌は理解できません。父性の愛は母性の愛に比べるとわかりにくい愛なのです。
例えば、あなたが犬を飼っているとしましょう。もし、愛犬が食べると死んでしまうような危険な食べ物をものすごく欲しがったら、どうしますか?
いくら犬が食べたがったとしても、命を守るために「食べちゃダメ!」と犬の行動を制限したり、強制しますよね?それが父性の愛です。
「ダメなものはダメ!」と躾けること、相手に嫌われるリスクを冒してでも、相手にとって本当に必要な厳しいことを言ったり、やらせたり、本人のためにならないことをやめさせたりすることで正しい方へと導くこと、それが父性の愛なのです。
ルールや約束を破ったときに叱って躾ける役割は、本来は父親が担うのが理想なのですが、今の日本の家庭においては、母親が父性的な役割を兼任している家庭がほとんどでしょう。母親が母性も父性も担うことによるストレスは、夫に対する怒りとなって夫婦喧嘩になります。「どうして私ばっかり!あなたも家のこと、子供のことを少しはやってよ!」「ちゃんと子供のことを叱ってちょうだいよ!」というように夫と喧嘩できる人は大丈夫です。夫も妻からガミガミ言われるのが嫌なので、少しずつ成長して父親らしいことができるように成長していきます。
問題なのは、夫に文句一つ言わずに黙って耐えてしまい、一人で抱え込んでしまう妻です。その環境では夫は何も学びませんから、子供っぽい夫がますます子供化してしまいます。我慢して耐えているとストレスで病気になってしまうこともあります。すべての責任を抱え込み過ぎてしまうアダルトチルドレンの女性によくあるパターンです。たまには感情的になってもいいので、しっかりと自分の要求を夫に伝えることが重要です。
ちなみにカウンセリングを受ける人の中には「父親にちゃんと叱ってもらったことないから、叱って欲しい」という人がいて、イメージの中で過去の良くないことをした件について叱ってあげることで「叱ってもらってすごく嬉しかった」という感想をいただきます。父親が子供に対して、真剣に向き合って叱ることで、自分のことを大切に思ってくれているという実感が得られるのです。
父性の愛を上手く表現したことわざ
父性の愛を上手く表現したことわざを紹介します。
「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」
獅子は生まれたばかりの子供を深い谷に落とし、這い上がってきた生命力の高い子供のみを育てるという言い伝えより転じて、相手のために、わざと試練を与えて成長させるということ。まさにこれが父性の愛です。一見すると酷いことをしているように見えて、実はその裏には深い愛があり、相手がその試練を乗り越えることで結果的に大きく成長するのです。
「かわいい子には旅をさせよ」
現代のレジャー感覚の旅とは違い、昔の人にとっての旅は命がけの厳しい辛いものでした。厳しい辛い経験を積むほど人は大きく成長するため、かわいい子ほど手元に置いて甘やかすのではなく、敢えて旅に出して辛い経験をさせよという意味のことわざです。まさに父性の愛です。
あなたは次の10項目にいくつ当てはまっていますか?
1. 父親との関係が悪かった。母親から父親の悪口をさんざん聞かされてきた
2.父親から興味・関心をもって話しかけられたことがない。父親とまともな会話をしたことがない
3.小さい頃から、親よりも自分の方が大人だと思っていた
4. 「NO」と断ることができないため、理不尽な要求に従ってしまう
5.どうせ自分の気持ちなんて誰も分かってくれないと思っている
6.自分には価値がない、自分は必要のない存在だと思っている
7.頑張り過ぎ、やり過ぎとよく言われる。休むことができない。一体いつまでがんばればいいんだろうか?と思っている
8.ずっと溜め込んできた親への恐怖、怒り、恨み、罪悪感を解放したい
9.何が異常で、何が普通なのか?自分の意見や基準がないのでわからない
10.自分がお店に入ったり、列に並んだりした途端、なぜだか急に人が増える
「あっ!まさに私のことだ!」と思ったのではないでしょうか?
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